それでも手相は当たる たまにですが

手相のプロを諦めた後、社会人になってからも「特技は手相」と口にはしていました、軽率にも。
それで、就職した会社でさっそく上司の耳に入り、入社まもなく(小さな会社だったので)会議の後、社長に呼ばれました。
上司の課長は占いを信じない人だったので、社長に変な新人と言ったようでした。
会議室に三人になったところで、見始めました。
当時はまだ自分なりのスタイルがあったので、それなりに本格的に見始めたと思います。
一通り見てから兄弟線を見ました。


私の一通りとは、まずは手の甲から見ます。
通常は「手相を見る」となると、誰でも手のひらを見せてくるのですが、本当はそこではただ一つ手のひらの出し方で、指を開いて出すか、指を閉じて出すかだけを見ます。
指を開いて出す人は開けっぴろげで秘密を持てない人が多いように思います。
一方閉じて出す人は慎重で約束や秘密を守る人が多いと考えます。

 

さりげなく、重要な点を確認したら、「まずは手の甲を見ます」と言って、手の大きさと形、体毛の生え具割を見ます。
全ては相対的な事ですが、体つき全体と手は必ずしも一致しません。
「その割に」が大事なのです。
特に体毛はその有無や相対的な濃さを見ます。
生えているならその範囲が手の甲までか、指までかで、意志の強さ(あるいはワガママ度)を見るのです。無い人は主体性や決断力に乏しいか、弱い傾向があります。

 

次に「手の平に移ります」と言って、手のひらを見せてもらい、もう一度、指を開いて出すか、閉じて出すかを確認します。
次は三大線(生命線、頭脳戦、感情線)をみて、そのバランスを確認します。
線の長さと深さ、勢いや、三本の間隔などを見ます。


話を戻しますと、会議室で社長の手を見たときはどうだったのか、定かではありませんが、何しろ兄弟線を見た時のことが記憶に残っています。

 

ズバリ、「あなた(社長のことですが、私は既に自分の世界に入っています)は四人兄弟の二番目ですね、でも」と口にしたところ、間髪を入れず、課長が「何を言っているんだ、だから手相なんか当たらないんだよ!社長止めましょうよ」と言って私の言葉を遮りました。

 

社長とは10年来の付き合いで社長の個人的なこともよく知っていたからの言葉でした。
でも、社長は「続けろ!でも何だ!」と言います。
ところが課長は「社長は長男なんだよ、俺は知っているんだ、おまえの手相は当たっていないんだよ」と更に遮ります。
すると社長は「もういい、おまえは出て行け、俺は続きを聞きたい!」と言って課長を会議室から追い出してしまい、私に続けさせました。

 

私は「あなたは4人兄弟の二番目として生まれましたが、ご長男が亡くなったため、長男として育てられました、生まれ故郷を遠く離れても、長男として振る舞い続けます」と言ったところまでは記憶があります。
あとは何も覚えていません。

 

ただ、それ以来社長は二度と私に手相を見ろとは言いませんでした。
誰にも言っていないことをいきなり指摘され、驚いた事以外に何かあったのかもしれません。
瀬戸内地方出身で、横浜に出て営業マンで成功して独立した社長でした。

それでも手相は当たる たまにですが
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